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2022.07.19 Tue
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SCHIETTO

Category  Work

札幌市内中心部のセレクトショップの店内に、約5坪の眼鏡店を設計するプロジェクト。
長年眼鏡業界の第一線で活躍されてきた店主が今回新たに立ち上げたのは、北海道内にこれまでなかった、マニアックな品揃えの眼鏡店だ。

 

眼鏡と建築に共通する、フレーム(=骨格 / 構造 / 枠)というキーワードから考えた。

眼鏡は、フレーム(枠)の形状が「眼鏡」そのものを表していると言える。一方、建築のフレーム(構造)は、その上から仕上げが施され内側に隠れている状態が一般的であるが、工事途中の構造現しの状態は、軽快で美しい。眼鏡と建築、それぞれにおけるフレームの在り方から着想し、日頃から興味があった工事途中のような空間を作りたいと考えた。木造建築に用いられる柱材で空間を構成した。壁面と什器にはMDFを採用し、仕上がっているような未完成のような、曖昧な状態とした。商品陳列棚の受け金物は、クロメートメッキの特注品である。このような仕上げを選定した理由は、モノトーンで構成されたセレクトショップとの境界を明確にし、独立した店舗であることを示す意図もある。

 

ワンアイテムに特化した専門店では、商品を整然と陳列することで、空間に秩序をもたせることができるが、インテリアの構造やマテリアルを限定することで、それをさらに強調することができたのではないだろうか。

 

店名であり社名でもある「SCHIETTO」には、純粋な/ありのままの/素朴な、という意味がある。店主が大切に掲げる言葉に寄り添わせてもらい、純粋に作ってみたいと考えていた素の状態の空間を素直に目指してデザインできたと思う。

 

Worksのページに竣工写真をアップしました。ぜひご覧ください。