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2020.06.26 Fri
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RIBBONESIA

Category  Work

RIBBONESIA」は、アーティストの前田麦氏と、クリエイティブディレクターの吉川徹氏によるアートデュオです。リボンを使ったアートワークによる展示、広告、ディスプレイなど多岐にわたる活動で広く世界中で知られています。
アトリエ移転に際し、インテリアデザインを担当させて頂きました。

 

以前のアトリエは、材料や道具、創作の痕跡やアイデアの源と思われるもの、用途がよくわからないものなどで溢れ、何か面白いことが起こりそうな期待感が充満するカオスでした。息をするように作品を作り発表し続ける前田氏の日常や、空間において、対外的な見え方よりも実用性に重きを置かれていることなどから、きれいに整頓された空間を作ることが正解ではないように思えました。それよりも、アイデアを思いついたらすぐに手を動かして製作に取り掛かれること、クリエイティブの熱とリズムを滞らせないことが重要であると考え、常に手の届く範囲に道具があり、ものが増えていくほど魅力が増していく空間を想像しながらデザインを進めることにしました。

 

キーワードに「図工室」「工房」があがり、さらに同時期に隣の敷地に大きなホームセンターがオープンすることが決まっていたため、ホームセンターで購入出来る材料を使って自分でカスタマイズしていける柔軟な空間にしたいと考えました。例えば、シナ積層合板の棚板は必要最小限の枚数だけ製作しておき、今後増やしたくなったら隣のホームセンターで同サイズでカットしてもらう、という具合に。
棚板を支える柱は、気負いなく釘打ちして道具や作品を吊り下げられる機能も兼ねています。
有効ボードの壁面には道具を吊り下げたり、作品やお気に入りのオブジェを飾ることも出来ます。
リボンが収まるガラスの棚板は、手芸店のリボン売り場の棚を参考にしました。奥側に向かって勾配をつけて、リボンが転がり落ちないようにしています。

 

状況に応じて姿を変えながら、楽しいカオスになっていけばいいなと思っています。
「脳内を具現化出来た」という前田氏の言葉が最高に嬉しかったです。

 

WORKSのページに写真をアップしましたので、ぜひご覧ください。