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2020.03.13 Fri
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ACA

Category  Work

インテリアデザインを担当させて頂きました美容室「ACA(アカ)」が先日オープンしました。

 

東京都内で「SOCO」「AO」「SUN」の3店舗を運営するヘアサロンの札幌初出店にあたり、設計のご依頼を頂きました。
クライアントと札幌の街を歩き、近年の街の状況や各エリアの特性を実際に見て頂きながら話し合い、ふさわしい出店場所を探すところからプロジェクトはスタートしました。出店場所として選ばれたのは、地下鉄大通駅のすぐそば、札幌PARCOの裏通りに位置するビルの35坪のテナント。いわば「札幌のどまんなか」の物件でした。新たな街に攻めの姿勢で挑む彼らに、インテリアでどのように応えようか考えました。

 

建築やインテリアの工事途中の下地材現し状態の現場に身を置くと、これから仕上げが施されていく期待感や、まだいかようにも変化出来る可能性を感じ、高揚します。職人が現場にある材料で即興でこしらえた作業台など、仕事をスムーズに進めるための作為的でないデザインにハッとすることもあります。工事現場から着想した仮設のようなインテリアは、彼らが理念とする「進化」「変化」「拡張」に強度を持たせるための有効な手段となり、一般ユーザーにとっては新鮮な空間体験になるのではないかと考えました。

 

既存の仕上げを剥がして現れた躯体はできる限りそのままいかしました。天井の色が部分的に違うのは、前テナントの形跡をそのまま残したことによるものです。新規の造作壁は木軸現しや、塗装途中のように仕上げました。
天井埋込みの照明器具であるバンクライトを特注加工し、露出の状態で吊り下げました。バンクライトは器具の向きを調整することが出来るので実用的でもあります。

 

建築金物に用いられることで広く知られる亜鉛メッキクロメートのレセプションカウンターとセット台は、家具デザインユニット・621とデザインし、製作しました。ゴールドベースに何色とも形容しがたい表情があり、フラットな広い面で見るとより魅力的です。機能を持ったオブジェのような存在になればと考えました。
シャンプースペースのカウンターは、木軸現しの壁や、現場の作業台から着想しています。

 

グラフィックデザインはCOMMUNEです。

「ACA」以外の3店舗のロゴもリニューアルしました。

 

単純に工事を途中で終わらせた状態を完成とするのではなく、一般ユーザーにとっての新鮮さや清潔感などのボーダーラインを慎重に探りながら進めました。その結果、実際の工程ではあり得ない、架空の工事現場が出来上がりました。

 

WORKSのページに写真をアップしましたので、ぜひご覧ください。