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2024.03.15 Fri
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札幌国際芸術祭 SIAF2024ビジターセンター@SCARTS

Category  Work

2024120日から225日に開催された札幌国際芸術祭2024。札幌文化交流センターSCARTSの会場構成を、グラフィックデザイナーの川尻竜一さんとともに担当しました。
Worksに竣工写真をアップしましたのでぜひご覧ください。

 

この会場には、総合インフォメーションを含む複数の異なる機能や展示が混在・点在しているため、さまざまな情報が集約するSIAF2024の出発点として、一番最初に訪れて欲しい場所でした。テーマは「ビジターセンター」。自然公園にあるビジターセンターは、「案内」「解説」「体験の促進」「休憩・避難」「調査・研究」「管理運営」これらの6つの機能を持つことが環境省によって定義されています。自然公園を芸術祭に置き換え、6つの機能を各展示エリアに適用したビジターセンターを作りました。

 

川尻さんと協働することが決定した当初から、出来上がった空間に対してサインを施すのではなく、インテリアデザインとグラフィックデザインが最初から完成まで並走するイメージを持っていました。「空間を仕切ること」と「視覚で情報を伝えること」。インテリアデザインとグラフィックデザインのお互いの領域に近づいたり、時には越えることで生まれる「平面以上、立体未満」の境界による会場構成を試みたいと考えました。

 

地図上の目的地にペンで印をつけるような感覚で、各展示エリアを色分けしたラインで囲みました。畳の縁や、体育館のコートラインのように、床面に引かれたラインは内と外の境界・領域を生みます。ラインは展示エリアの仕切りであり、サインでもあります。

 

この会場が他の会場と大きく異なる点は、施設に併設するコンサートホールや図書館の利用、通勤通学の通り道など、会期中も芸術祭を目的としていない人が日々利用する点で、いつもの景色が今だけの特別な仕様になっているということを明確に演出することも重要であると考えました。