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ANATOMICA KYOTOの設計を担当しました。
Worksのページに竣工写真をアップしました。ぜひご覧ください。
ANATOMICAは、1994年にフランス・パリで創業した、歴史と伝統、フィッティングへのこだわりをベースに、人体の構造と動きに沿ったアナトミカル(解剖学的)なものづくりをコンセプトとするブランドです。アイテムの多くはフランスのワークウエアが基になっていて、それらをいかにエレガントに着こなすかを提案しています。
築100年を超える町家の改修。町家はそこで働き暮らす人たちのための民家で、ANATOMICAと町家はどちらも営みや生業とともにあるという点に着目し、そこからインテリアデザインを展開していくことを試みました。工事現場や作業場など、日頃クリエイティブの現場で目にしてきたものの集積から着想した仕様を、私たちが考えるエレガントを通してインストールしました。
「京都の町家」は、とても強いワードではあるけれど、迎合するのでも対比を図るのでもなく、理解をもった上で、時代、国境、ジャンルを超えた共通項「WORK」を軸に、それぞれのアイデンティティを保った状態のまま並走したいと考えました。
かつて客間として使われていた場所には、ANATOMICAが最も大切にしているシューフィッティングスペースを据えました。ほぼ既存のまま残した床の間と縁側の先には、成井大甫氏の作庭による坪庭が見えます。過去と現在の景色が時間を超越して重なり、新しい風景が生まれる様子をイメージしました。
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札幌市内中心部から離れた工業地域に位置する2階建ての倉庫を改装し、セレクトショップ、コーヒースタンド、イベントスペースで構成される複合施設を作りました。
Worksのページに竣工写真をアップしたのでぜひご覧ください。
梁を基準に倉庫をエリア分けし、既存の設備状況などから、各エリアに相応しい業態と機能を割り当てました。
寒冷地北海道では、断熱対策と、躯体をそのまま現して意匠とすることの両立が難しくいつも悩ましいのですが、不定期で利用していく計画のイベントスペースを外部との緩衝エリアと捉え、店内奥に躯体現しのほぼ既存状態のまま配置しました。冬は扉を閉めて店舗を暖かく保ち、夏は扉を開放して倉庫全体を広く大きく使う。季節に合わせて空間が伸び縮みし、それに合わせて使い方やレイアウトを変える。改めて考えてみると、屋外の状況が屋内の過ごし方に影響するのは自然なことで、不自由があるかもしれないけれど、日々工夫しながら理想を追求していると、一年中まんべんなく快適に過ごすことができる環境下では決して生まれないオリジナリティや楽しみ方が育っていくと信じてる。
2階には施設を運営するクリエイティブコレクティブ「COMMUNE」のオフィスがあり、こちらの設計も私たちが担当しています。
Worksのページに竣工写真をアップしていますのであわせてご覧ください。
会場構成を担当した札幌国際芸術祭2024の会期中に、自分のギャラリー「BLAKISTON」でも何かしたいと思い立ち、開催に至った企画展です。
約1ヶ月に渡って開催された芸術祭期間中に、会期3日間の自主企画展を2つ開催しました。
Worksのページに記録写真をアップしました。ぜひご覧ください。
前田 麦 展「Drawink」
辻 有希 展「moving」
アーティスト・前田 麦の作品展「Drawink」と、木工作家・辻 有希の作品展「moving」。
内容が異なる作品展を、転換のためのインターバルを挟み、各3日間ずつ同会場で開催しました。
共通マテリアルはロープ。空間構成をコンバージョンすることによって2つの展示を紐付けました。
吊る、巻く、張る、縛る、囲う。
ロープの可能性を模索しながら、ほぼ即興で空間を構成するのは大変スリリングでしたが、作品と共にインスタレーションを作っているようでもありました。
mangekyoとBLAKISTON。
札幌市主催の芸術祭と自主企画。
私たちの仕事のA面とB面を、同時期に並列で作り、見てもらうことに意味があると思いました。
宣伝美術を芸術祭同様、川尻竜一さんに依頼させていただくことは必然でした。
タイトなスケジュールに痺れましたが、せっかく思いついたことは実行しなければ、という思いから、麦さん、辻さん、川尻さんにお声がけしました。
快諾してくださりありがとうございました。
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2024年1月20日から2月25日に開催された札幌国際芸術祭2024。札幌文化交流センターSCARTSの会場構成を、グラフィックデザイナーの川尻竜一さんとともに担当しました。
Worksに竣工写真をアップしましたのでぜひご覧ください。
この会場には、総合インフォメーションを含む複数の異なる機能や展示が混在・点在しているため、さまざまな情報が集約するSIAF2024の出発点として、一番最初に訪れて欲しい場所でした。テーマは「ビジターセンター」。自然公園にあるビジターセンターは、「案内」「解説」「体験の促進」「休憩・避難」「調査・研究」「管理運営」これらの6つの機能を持つことが環境省によって定義されています。自然公園を芸術祭に置き換え、6つの機能を各展示エリアに適用したビジターセンターを作りました。
川尻さんと協働することが決定した当初から、出来上がった空間に対してサインを施すのではなく、インテリアデザインとグラフィックデザインが最初から完成まで並走するイメージを持っていました。「空間を仕切ること」と「視覚で情報を伝えること」。インテリアデザインとグラフィックデザインのお互いの領域に近づいたり、時には越えることで生まれる「平面以上、立体未満」の境界による会場構成を試みたいと考えました。
地図上の目的地にペンで印をつけるような感覚で、各展示エリアを色分けしたラインで囲みました。畳の縁や、体育館のコートラインのように、床面に引かれたラインは内と外の境界・領域を生みます。ラインは展示エリアの仕切りであり、サインでもあります。
この会場が他の会場と大きく異なる点は、施設に併設するコンサートホールや図書館の利用、通勤通学の通り道など、会期中も芸術祭を目的としていない人が日々利用する点で、いつもの景色が今だけの特別な仕様になっているということを明確に演出することも重要であると考えました。
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これまでイベントやポップアップで営業されてきた焼き菓子店、マリコ菓子舗の実店舗の設計を担当しました。
Worksのページに竣工写真をアップしましたのでぜひご覧ください。
製造過程や背景が見える地域に開いたファクトリーショップ。厨房の窓からマリコさんが迎えてくれます。
実店舗での営業と並行して今後も継続するイベント出店やオンライン販売など、今後の運営を見据えて働きやすい厨房計画に重きを置きました。
引き渡しの日にマリコさんが、
「昨日は楽しみで眠れなかった」
「早くここでお菓子を作りたい」
と笑顔で言ってくれたのが嬉しかったです。